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Deadlineの運用について~限られたリソースの有効活用~

暖かい日が続いていますね~!
もうすぐ東京でも桜が開花するかもしれませんね🌸

さて、今回の記事は”AWS Thinkbox Deadline”に関する話題です。
昨年(2022年)8月にAWS Thinkbox製品の無償提供が開始されました。
アニマでは長い間、Deadlineを運用してきているので
これは大変有難いニュースでした!
※「Deadline」とは…3DCG制作作業において時間がかかるキャッシュ書き出しやレンダリング等の処理を複数のPCを利用して分散実行するためのレンダリング管理ツール(ディスパッチャーと呼ばれる)

まずはアニマのDeadlineの活用法を紹介したいと思います。
弊社では、2011年からDeadlineを利用していました。
(一時的に利用していない時期もありましたが)
現在は、約130台のレンダー専用マシンと
約80台のアーティストの作業マシンが
Deadlineによって管理されています。

Deadlineには、デフォルトで
各DCCツールやレンダラーに対応した
Application Plugin /サブミットツールが用意されていますが
アニマでは、ほぼCommand Line Scriptしか利用しておりません。

その理由は、インハウスランチャーにあります。
アニマではインハウスランチャーによって
プロジェクト毎の
環境変数 / 使用プラグイン / OCIO / Arnoldのバージョン等を設定した状態で
DCCツールを起動します。

インハウスランチャーは
コマンドラインからも実行出来るようになっており
MayabatchやPython等、DCCツールのコマンドラインツールを
プロジェクト毎の環境で起動し
実行したい処理を引数で指示すれば
多種多様なジョブをDeadlineに任せられるのです。
そのために、各DCCツール用の
サブミットツールも開発しました。

実際にアニマのDeadlineで実行されているジョブは
キャッシュの書き出しやレンダリングに留まらず
DCCツール間のデータコンバート、バッチシーンビルド処理、
下流工程へのデータパブリッシュ処理、
ショットレビューシステムへのチェック用ムービーの提出処理などがあります。
Deadlineでジョブが走っている間
ユーザーは作業マシンのリソースを取られることなく
他の作業を進めることが出来ます。

またアニマのDeadlineでは
以下の様な基準でジョブのオプションを設定しております。
Pool: プロジェクト名
Secondary Pool: 工程名
Group: アプリケーション名
Priority: 40 / 50 / 60 / 70

これによりプロダクション内で並行して進行している複数のプロジェクトの内、
納期の近いプロジェクト及び工程のジョブに
優先的にレンダーマシンを割り当てるといった制御が可能です。
Priorityはユーザーが変更できる値は
基本的に40 / 50 / 60の3パターンに制限されていて、
変更にはSVの許可が必要となっています。

これは、誰もが自分のジョブを最優先に設定する事態を防ぎ
レンダーマシンのリソースをトラブルなく割り振る為のルールです。
Priority:70はデータパブリッシュとチェック用ムービーの提出という
最優先処理に機械的に割り振られています。

以上、アニマにおけるDeadline運用の紹介でした。
Deadlineの導入やカスタムの参考になりましたら幸いです!

それではまた更新します~

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